クルマはいまや動くコンピュータ化しています~もしハッキングされたらどうなる?

ハッカーとPC現在のクルマは、ほぼコンピュータによって制御されています。

アクセルからブレーキ、ハンドル操作まで電動化してコンピュータにより制御されています。

そんな動くコンピューター化してしまった現代のクルマですが、もしそのコンピュータがハッキングされてしまったらと思うとゾッとするに違いありません。

もちろん、自分の家にあるパソコンがハッキングされるのも困りますが、そのことによって直接的に命が危険にさらされるということはありません。

しかし、クルマがハッキングされるとなると、死に直面することになります。

あなたの車を乗っ取ったハッカーが、遠隔操作でクルマを自由に制御できてしまうとしたら、大変なことになってしまうということは容易に想像ができるでしょう。

でも、これは空想でも何でもなく、実際にアメリカの専門誌がクライスラーのクルマをハッカーに乗っ取らせるという実験を行いネット上で公開しました。

ハッカーに乗っ取られたクルマのハンドルやアクセルが勝手に操作をされる映像をみて、多くの人が衝撃を受けました。

クルマがコンピュータ化している現代においては、ハッカーという犯罪集団から目を背けることはできなくなりつつあるのです。

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何から何までコンピュータ制御になっている現代のクルマ

最近は、クルマの自動運転が話題になっています。

ドライバーは何もせずに、ハンドルからアクセル、ブレーキまですべてクルマが自らの判断で走ってくれるというものです。

簡単に自動運転といいますが、このクルマは誰が運転しているのでしょうか?

そうです、自動運転というのは、まさにコンピュータがアクセルやハンドルを操作しながら運転しているわけです。

つまり、現代のクルマというのは、ほぼすべての動作をコンピュータで制御できるようになっているのです。

そう考えると、現代のクルマというのはコンピュータの制御しだいで、どうにでもなってしまうということが言えるわけです。

もしあなたのクルマがハッキングされて、エンジンを始動してから30分後にアクセル全開になるようなウイルスを仕込まれてしまったとしたら、この世とおさらばすることになってしまうかも知れません。

しかも、事故の原因は不明で、ただの暴走自爆事故として処理されてしまうことになるでしょう。

よくアクセルとブレーキの踏み間違いで建物に突進してしまったクルマがときどきニュースで話題になりますが、あれと同じような現象をプログラミングで起こすことができてしまうわけです。

考えれば考えるほど、恐ろしくなります。

クライスラーが140万台をリコールした理由

リコールの案内2015年7月に、アメリカの自動車メーカーであるクライスラーが、ハッキング対策のために140万台のリコールを発表しました。

自動車メーカーのリコール理由がハッキング対策ということで、当時は話題になりました。

コンピュータメーカーのリコールではなく、自動車メーカーのリコールなのですから、誰もが驚くのは当然です。

専門誌が実際にハッカーにクライスラーのクルマを乗っ取らせる実験をしたということは先に書きましたが、これはクライスラーが使う専用の無線回路である「Uコネクト」経由でコンピューターに侵入するという手口でした。

クライスラーでは、これまでもそういったハッキング対策のための改良版のソフトを配信していましたが、実験の反響があまりにも大きかったことから、抜本的な対策のために自主的なリコールに切り替えたようです。

なんどもいいますが、クルマがハッキングされるということは、直接的に命にかかる問題なので、クライスラーの対応は当然のことといえます。

オンラインでコンピュータをバージョンアップするテスラ

ホワイトのステラテスラという自動車メーカーでは、クルマに搭載のコンピュータにアップデートの必要性が生じたときに、「双方向通信」のネットワークを使って夜間にデータ更新を行っています。

そうすることで、昨日まで使えなかった機能が翌朝には使えることができるようになっていたりします。

パソコンやスマホなどでも、よくソフトウェアのアップデートが行われますが、テスラのクルマも同様の方法でコンピュータのアップデートを行っているわけです。

確かに便利で、そのことがテスラの売りでもあるのですが、ハッカーに狙われる可能を考えた場合に、すなおに便利だと喜べないサービスといえると思います。

どんなにハッキング対策のバージョンアップをしても、ハッカーとはいたちごっこになってしまうことが多いものです。

Windowsパソコンが頻繁にOSのアップデートを行うのも、そういった事情があるからなのです。

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GoogleやAppleなどのIT企業が自動車業界の支配をねらっている?

GoogleやAppleというと、知らない人はいないコンピュータ関連の大手企業ですが、ITの最先端技術をもったこういうメーカーが自動車業界に進出を試みたことがあります。

自動運転などの制御にかかわるソフトの部分に立ち入って、自分たちがアドバンテージをにぎろうとしたわけです。

しかし、各自動車メーカーは、IT企業のそういった動きに大きな警戒感を持ちました。

当然のことながら、すべての自動車メーカーは彼らの提案を拒否しています。

自動車メーカーにしてみれば、運転制御に関するコアな部分やクルマから得ることのできる各種の情報をIT企業に渡すことは、業界全体を彼らに支配されかねなくなるからです。

こういったIT企業がクルマ業界に参入を試みているという現実は、まさにクルマがコンピュータ化していることの象徴的な出来事といえそうです。

国土交通省がやろうとしているITSはどうなのか?

町並みと電波国土交通省がやろうとしているものに、ITSというものがあります。

ITSというのは、人と道路と自動車の間でそれぞれが情報の発信や受診を行い、事故や渋滞など道路交通が抱えるさまざまな問題をITの技術を使って解決しようというものです。

このITSが実用化されると、いわゆる信号無視などのヒューマンエラー的な事故を減らすことが可能であるとされています。

道路上にある信号機からクルマにデータを送り、自動的にブレーキ制御したりすることが可能になるからです。

こういった制御により、交通事故はもとより渋滞などの解消も可能になるといわれています。

しかし、ここで注意をしなければならないのは、人と道路とクルマの間で情報の受信や発信を行うということです。

つまり、コンピュータネットワークでいうところの双方向通信ということになりますから、インターネットにつながったパソコンやスマホと同じような状況になるわけです。

こういった状況が、いかにハッカーに狙われやすい状況であるかということは、ここまで読んでいただいた方であれば十分にお分かりになるかと思います。

前方の信号が赤にもかかわらず、ウイルスによりクルマに搭載されたコンピュータが青信号だと認識してしまったりすると、大変な状況になってしまうということは容易に想像がつくと思います。

ハッカーやコンピュータウイルスの問題は、もはやパソコンやスマホだけの問題ではなくなりつつあるのです。

文・山沢 達也