レーダー式のネズミ捕りは誤測定が当たり前?~濡れ衣で検挙もありえます

レーダー式速度取締装置と警察官ネズミ捕りと呼ばれる速度取り締まりに捕捉された経験のある人は、突然道路に飛び出して赤い旗を振る警察官の姿を見て、思わず口から心臓が飛び出しそうになったに違いありません。

スピード違反といってもよほど悪質な場合を除いては、青キップによって反則金を納めれば済んでしまうケースが多いものです。

しかし、赤い旗を振る警察官によって脇道に誘導されて行くときには、なぜか自分がとんでもない重罪を犯してしまったような錯覚を起こしてしまうものです。

「バカヤロ~!闘牛じゃあるまいし、赤い旗なんか振るな」などと冗談を言う余裕はないはずです。

そんな精神衛生的には実によろしくないネズミ捕りですが、実は誤測定が非常に多いということをご存知でしょうか?

誤測定によって濡れ衣を着せられないためにも、ネズミ捕りの誤測定に関する知識や対処法をしっかりと身に着けておくようにしましょう。

53km/hオーバーで捕まった人が無罪になった事例

ある人が、制限速度40km/hの一般道を、およそ50km/h程度で走行していたところ、ネズミ捕りによって53km/hオーバーで捕捉されてしまったことがあります。

40km/h制限の道路で53km/hオーバーということは、実測値で93km/h出ていたということになります。

ご存知の方も多いと思いますが、クルマのメーターには誤差があり、実際の速度はメーターの表示よりも8%~9%ほど遅くなるといわれています。

実測値で93km/hということは、メーター読みでは100km/hほどになるはずです。

ところが、捕まった本人はメーター読みで50km/h(実測だと46km)程度のスピードで走っていたという認識のため、「そんなことはあり得ない!」と現場の警察官に激しく抵抗することになります。

警察官は「認めないと裁判になるぞ」とか「裁判になったらお金がかかって大変だぞ」とさんざん脅しをかけてきたようですが、メーター読みで100km/hなどというスピードは絶対に出していないわけですから、認めるわけにはいきません。

53km/hオーバーはあり得ないと裁判所が認めた

「裁判になるぞ」と脅されても、やっていないものをやったと認めるわけにはいきませんので、出るところにでて白黒決着をつけるしかありません。

結局その方は起訴をされて、裁判をすることになりました。

その結果、一審は有罪となってしまいましたが、二審では見事に無罪を勝ち取ることができました。

東京高裁が言い渡した判決の理由は「もし93km/hものスピードを出していたとすれば、警察官が停止を命じた場所に停車することは不可能」というものでした。

警察官の主張するスピードを実際に出していたとしたら、物理的に停止することが不可能な位置にクルマが停車してしまったわけですから、ネズミ捕りの機械に誤測定があったと考える方が自然なわけです。

裁判官は「いかなる過誤によるものかは明らかではないが、事実上誤認といわなければならない」と結論付けています。

もしこの方が、現場で警察官の言いなりになってやってもいない53km/hオーバーのスピード違反を認めてしまっていたら、違反点数12点で免停になり、さらに8万円~10万円ほどの罰金を支払うことになっていたはずです。

これは他人事ではありません。

ネズミ捕りの測定装置の誤測定というのは日常的に起こっており、あなたもいつ濡れ衣をきせられるか分からないのです。

レーダー式測定器というのはドップラー効果によって速度を測定しています

速度計測のしくみレーダー式の速度取り締まり装置というのは、走ってくる車に対してレーダー波を出して、車から反射してきたレーダーをアンテナで補足する仕組みになっています。

発射したレーダー波と受け取ったレーダー波の波長の違いを計算して速度を割り出しているわけです。

これはいわゆるドップラー効果と呼ばれる原理を利用しています。

こちらに向かって走って来る救急車のサイレンの音は高い音程で聞こえますが、走り去っていく救急車のサイレンの音程は低く聞こえると思いますが、これがまさにドップラー効果です。

近づいてくるときの音(波)と去っていくときの音(波)は、波長が異なるためにこのようなことが起こるのです。

そんなレーダーの波長の違いをキャッチして速度を測定するわけですから、ちょっとした障害などで誤差が生じることになってしまうわけです。

警察官の人為的なミスが原因で濡れ衣が発生することも多い

誤差を発生させる原因で一番多いといわれているのが、現場の警察官による設置ミスです。

2011年に栃木県警が、ネズミ捕りによって検挙した4,200件のうちの大半は、測定された数字よりも実際には遅い速度で走っていた可能性のあることを発表して話題になりました。

本来であれば、レーダーの投射角を27度にしなければならないのに、実際には0~10度の角度で設置して測定してしまったとのことです。

また、測定装置の設置ミスだけではなく、違反した車両を無線で連絡する現認係と車を停車させる引き込み係の連係ミスで、まったく関係ない別のクルマを捕まえてしまうなどということも実際に起こったりするようです。

団塊の世代の大量退職により、ベテランの警察官が少なくなったことがそういったミスが起こる原因ではないかなどと言われていますが、それにしてもお粗末な話です。

動かないはずの家や森が70km/hで走っている!?

レーダー式の速度取り締まり装置というのは、先にも説明しましたようにレーダー波のドップラー効果を利用して速度測定をしているために、レーダー波の乱反射により誤測定が生じることがよくあります。

近くに高速道路の高架などコンクリートでできたものがあったり、道路の側面に防音壁などの金属製のものがあったりする場合には、レーダー波が乱反射を起こして誤測定を起こすことがあるといわれています。

また、空港の近くや高圧送電線の近く、放送局の近辺などで測定を行うときも、誤測定を起こすことがあるようです。

動かないはずの家や森が70km/hで走っていることになってしまったという、信じられないような誤測定も実際にあるのです。

また、測定装置のケーブルを踏んづけただけで、50km/hの表示が出てしまったりしたこともあるようです。

このように、レーダー式の速度取り締まり装置というのは、非常にデリケートな機械であり、ちょっとしたことで誤測定を起こしてしまう可能性があるということがお分かりになるかと思います。

ネズミ捕りで濡れ衣を着せられないためにはドライブレコーダーが必須

ドライブレコーダーこのように、誤測定があたり前のように起こるネズミ捕りですが、無実であるにもかかわらず反則金や罰金を払わされたのではたまったものではありません。

ネズミ捕りで濡れ衣を着せられないためには、どうすればいいのでしょうか?

簡単で一番効果的なのがドライブレコーダーの設置です。

最近のドライブレコーダーは、GPSからの情報によって車の速度が表示されるものが多くなっています。

もし、スピード違反をしていないにもかかわらずネズミ捕りに捕捉されてしまった場合には、そのドライブレコーダーを見せて、無実であることを主張できます。

ドライブレコーダーに記録されたデータを現場の警察官が必ず認めてくれるかどうかはわかりませんし、裁判になったときに証拠として採用するかどうかは裁判官しだいです。

しかし、潔白を証明するものが何もないよりは、ドライブレコーダーに映った映像だけでもあれば、ずいぶんと心強いに違いありません。

もし速度が記録されないタイプのドライブレコーダーであったとしても、映像に映っている風景の流れの速さから、おおよそのスピードが推測できるはずです。

少なくとも、メーター読みで50km/hで走っていたクルマが53km/hオーバーで捕まるようなことはなくなると思います。

50km/hで走っているときと93km/hで走っているときでは、風景の流れの速さは明らかに違いますから、十分に潔癖を証明できると思います。

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