カタログに書かれた燃費と実際の燃費はなぜこれほど違うのか?

ビアンテとビアンテパンフレットカタログに書かれた燃費の良さにひかれてその車を購入したものの、実際の燃費はカタログに表示されたものとは程遠い数字で、がっかりとさせられた経験を持つ人も少なくないでしょう。

しかし、これは自動車メーカーがカタログにウソを書いているというわけではありません。

あなたが車を走らせている環境と、メーカーが燃費のテストを行っている環境が違うために数字の乖離が起こっているわけです。

また、同じような環境で車を走らせていても、乗り方によっても大きく変わってしまうのが燃費なのです。

ここでは、カタログに書かれた燃費と実燃費で、なぜこれほど違いが出るのかについて解説をしてみたいと思います。

カタログデータと実燃費にはこれだけ差があります

「e燃費」というサイトに、実際の車のオーナーからの実燃費を集計したランキングが掲載されています。

e燃費:http://e-nenpi.com/enenpi/
   
このサイトの最新ランキングをもとに、実燃費とカタログデータの違いを見ていきたいと思います。

・実燃費トップ3の数字はカタログデータの約7割

まず、1位のマツダキャロルを見てみますと、実燃費が25.81km/Lとなっています。

たまたまこの車の実燃費を報告したオーナーたちの生活環境が、信号などが少なく燃費に好影響を与えるような場所であったのか、あるいは燃費のよくなる運転術を心得ているオーナーが多かったのかは分かりませんが、25.81km/Lというのは驚くべき数字です。

カタログデータは37.0km/Lですから、それとくらべると少なくはなってしまいますが、軽自動車の実燃費の平均が20km/L程度であることを考えると、抜群にいい数字といえます。

2位はトヨタカローラアクシオのハイブリッドで、実燃費が22.98km/Lとなっていますので、こちらもさすがにハイブリッドならでの燃費のよさといえます。

ちなみに、こちらのカローラアクシオ(ハイブリッド)のカタログデータは33.0km/Lとなっています。

3位は、ハイブリッドカーのパイオニア的な存在であるプリウスで、実燃費が22.77km/Lとなっています。

カタログデータは34.0~40.8km/Lとなっていますが、実燃費を見る限りにおいてはカローラアクシオのハイブリッドとほぼ同じといえそうです。

これらの実燃費トップスリーを見る限りにおいては、カタログデータの7割程度の数字が実際に走行したときの燃費であるといえそうです。

・燃費の悪いミニバンで比較をしてみましょう

ミニバンは車重がありますし、空気抵抗的にも不利ですので、実燃費で10km/Lを切ってしまうイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

まずは、マツダビアンテですが、実燃費は9.17km/Lとなっています。

カタログデータは14.8km/Lとなっていますので、もう少し走ってもよさそうな感じはします。

ヴェルファイアとヴェルファイアカタログヴェルファイアですが、こちらの実燃費は8.88km/Lと9km/Lを切ってしまっています。

カタログデータは11.6 km/Lとなっていますので、むしろ実燃費がのびているような印象があります。

なお、ヴェルファイアには2.5Lと3.5Lの2種類のエンジンがありますが、このデータは一般的な2.5Lの方と思われます。

3.5Lの場合カタログデータが9.5km/Lとなっていますので、実燃費は7km/L程度になってしまうことでしょう。

次に同じくトヨタのヴォクシーですが、こちらは実燃費が11.11km/Lと、ミニバンとしてはかなり優秀な数字となっています。

カタログデータは15.0~17.0km/Lとなっていますので、やはり実燃費は7割程度になってしまうようです。

・実燃費はカタログデータの7割程度と考えておく

いくつかの車種の、カタログに記載された燃費と、実際にその車に乗っているオーナーの報告にもとづいた実燃費を比較してみましたが、おおむねカタログデータの7割程度が実燃費になるということが分かりました。

もちろん、渋滞の多い地域かあまり信号のない地方かといった環境的要因や、ドライバーの運転の仕方によって実際の燃費は大きく変わってきてしまいますが、大まかな実燃費の目安としてはカタログデータの7割程度と考えて問題なさそうです。

メーカーが燃費のテストを行っている環境

車と男性のイラスト車を実際の公道を走らせると、カタログに記載された燃費の7割程度しか走らないということが分かりました。

それでは、メーカーがカタログに記載している燃費は、いったいどういった条件でテストされたものなのでしょうか?

それは、私たちの日常の運転する道路状況と大きくかけ離れているものなのでしょうか?

・国産車の燃費測定の基準となっているJC08モードとは?

もともと、カタログに記載する車の燃費は、1991年より10・15モードという方法で測定されていました。

しかし、10・15モードで測定されたデータと、実燃費のデータにあまりにも差がありすぎるということが以前から指摘されていました。

そこで10・15モードよりも実際の走行に近づけるかたちで、新たな測定方法が開発されました。

それが2011年4月以降に型式認定を受けるクルマから適用されることになった、JC08モードと呼ばれる燃費測定方法です。

JC08モードでは、10・15モードにくらべて実際のクルマの使用状況により近づけるために、細かい速度変化をつけて運転したり、エンジンが暖まった状態だけではなく、冷えた状態からスタートする方法なども測定項目に加わりました。

その結果、10・15モードで測定した場合にくらべて、JC08モードで測定した場合には1割ほど低いデータになるといわれています。

参考:国土交通省によるJC08モード燃費測定の詳細
    

運転の仕方で大きく変わってしまう実燃費

JC08モードでの燃費測定は、実際にユーザーが車を公道上で走らせるときの条件にかなり近づけた状態で測定されています。

それにもかかわらず実燃費が、JC08モードで測定された数字の7割程度になってしまうのはなぜなのでしょうか?

理由として一つだけ確実に言えることは、JC08モードで測定をするときに運転をするドライバーは、いわゆるエコ運転のテクニックを極めたプロであるということです。

各メーカーとも、0.1km/Lでもライバル車よりも燃費を伸ばそうと努力をしているわけです。

もちろん、燃費向上のためには車の設計そのものが最も重要ですが、テストでいい結果をだすためにはドライバーの「腕」もそれに劣らず重要です。

社内でもナンバー1の技術を持つ、エコ運転のプロがテストを行っているに違いありません。

カタログデータと実燃費がこれほど大きく違うのは、エコ運転のプロとわれわれ素人ドライバーの運転技術の差である可能性が高いのです。

多くの人が勘違いをしている燃費をよくするための走り方

いま乗っている車の燃費性能そのものは変えることができませんが、それを運転するわれわれが「エコ運転」をマスターすることで、燃費を大きく向上させることは十分に可能であるといえそうです。

しかし、本当に燃費のよくなる走り方を知っている人というのは少数派です。

燃費をよくするつもりで、むしろ悪くしてしまっているような走り方をしている人も多いようです。

・ノロノロとスタートすると燃費が悪化します

運転する女性燃費が悪くなる運転の仕方といいますと、どうしても急発進や急加速といったアクセルを強く踏む運転の仕方をイメージする人が多いと思います。

しかし、必ずしもそうとばかりは言い切れないのです。

むしろ、慎重すぎる運転をすることが燃費を悪くしてしまうことがあるのです。

車のエンジンというのは、トルク曲線の関係で一番効率のいい回転数というものがあります。

そのため、あまりエンジンの回転をあげずにゆっくりと加速することは、むしろエンジンの効率を悪くして燃費を悪化させてしまう可能性すらあるのです。

CVTのついた車に乗ると、発進時に思った以上にエンジンの回転数が上がっていると感じている人も多いと思います。

これがまさに、効率のいい走りなのです。

CVT車はコンピューター制御により、エンジンの一番おいしい回転数を選んで車を加速させているために、実際のスピードよりもエンジンの回転数が高いように感じてしまうのです。

これまでのATからCVTに変わることで、車の燃費が劇的に良くなったというのは、そういったエンジンの効率を最大限に生かした走りが出来るようになったからなのです。

・やたらブレーキばかり踏むと燃費は悪化します

運転に慎重な人は、必要もないのにやたらとブレーキを踏む傾向があります。

もちろん、安全のためには、必要に応じてしっかりとブレーキを踏まなければなりません。

しかし、あまりにも過剰に意味もなくブレーキばかり踏んでいると、燃費が悪くなります。

車というのは、ある一定の速度でクルージングしているときには、それほど燃料は消費しませんが、発進や加速をするためにアクセルを強めに踏み込んだときにたくさんの燃料を消費するわけです。

運転に慎重なあまりこわごわとブレーキばかり踏んでいる人は、同時にそれと同じ回数だけアクセルを踏み込んで加速をしているということになります。

ブレーキを踏んで減速した車をもとの速度に戻すためには、アクセルを踏んで加速をしなければならないわけです。

逆に、燃費の良くなる走りを考えたときは、これと反対のことをすればいいのです。

道路の状況や車の流れなどを先読みして、アクセルの開度をなるべく一定に保つような運転をすればいいことになります。

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