展示車は安く買えるというウワサな本当なのでしょうか?

ディーラーのショールームディーラーのショールームにいくと、最新型の車が展示されていると思います。

これらの展示車は、実際にお客様にクルマの実物をみてもらうことで、購買意欲を高める目的でおかれているものです。

「ひょっとしたら、この展示車を買えば普通の新車よりも安く買えるんじゃね?」

と思う方も少なくないでしょう。

実際にこれらの展示車はどのようにして売られていくのでしょうか?

また、新車を普通に買うよりも本当にお得に購入することができるのでしょうか?

展示車は中古車ではなく立派な新車扱いで売られます

ディーラーを経由して市場に流れてくる車には、一般的な新車以外にも何種類かあります。

今回紹介する展示車の他にも「試乗車」や「未使用車」などがあります。

参考記事:未使用車(新古車)を買うメリットはどこにあるのでしょうか?
       
参考記事:ディーラーの試乗車を購入することは出来るのでしょうか?
       
しかし、展示車が試乗車や未使用車と決定的に違う点があります。

それは、試乗車や未使用車が「中古車扱い」になるのに対して、展示車はあくまで「新車扱い」になるからです。

実際に車を見くらべてみると分かりますが、試乗車や未使用車にはしっかりとナンバープレートが取り付けられていますが、展示車にはナンバープレートがありません。

つまり、まだ新車登録されていないクルマということになるわけです。

一般に、新車というのはオーダーメイド的な注文形態になっており、色やグレードだけではなくさまざまなお客様が好みのオプションパーツを組み合わせて販売されます。

オプションパーツの中でもメーカー純正のものは、工場での生産ライン以外での取り付けができないものも多くあります。

たとえば、サンルーフであったり電動スライドドアであったり、サイドエアバッグなどです。

これらのパーツは、ディーラーオプションのように、車が出来上がってしまってから後付けができません。

車の製造ラインそういった、お客様の好みにあった仕様の異なる車を、受注後に1台ずつ生産ラインに乗せて製造していくというのが、本来の新車販売の流れです。

そのため、人気車種になると納車までに数カ月もかかることがあるわけです。

しかし、すべての新車をお客様のオーダーが入ってから生産ラインに流すのは効率的によくありません。

そのため、工場の稼働率が下がらない程度に、注文の入っていないクルマもラインに乗せられて生産されることになります。

オーダーメイドではありませんので、特殊なオプションはつけられませんが、過去の売れ筋データなどをもとに標準的な仕様で生産をします。

このような形で作られた新車を、一般に「在庫車」などと呼びます。

在庫車は、色やグレード、オプションなどを自由に選べないというデメリットがありますが、すでに完成している車なので、納車までの期間が早いというメリットがあります。

実は、今回紹介する「展示車」も、区分的にはこの「在庫車」ということになるわけです。

展示車であっても特に安く買えるわけではない

展示車は、あくまで新車扱いで販売されることにはなりますが、他の「在庫車」などとは少し意味合いが違ってきます。

確かに、ショールームに展示をしているだけですから、試乗車のように実際に道路を走っているわけではありません。

しかし、展示している間は不特定多数の人が触ったり、実際にシートに腰かけたりするわけです。

ミニバンなどの展示車ですと、後部座席に子供などが乗りこんだりすることもあるでしょう。

新車扱いだとはいっても、そういった不特定多数の人に触られた車を購入するのは抵抗があるという人も少なくないと思います。

その分、思いっきり値段を下げて売ってくれるのであれば納得も出来るのですが、実際には普通に新車として売られてしまうのが一般的のようです。

つまり、展示車だからといって、特別に安くなるわけではないわけです。

「知らぬが仏」とディーラーの人が思っているかどうかは分かりませんが、なんとも理不尽な感情をおぼえる人もいるでしょう。

ただ、その展示車がなかなか売れずに、長期在庫になってしまう可能性がある場合には、ある程度の値引きが期待できることもあります。

展示車のように、すでに出来上がってしまっている在庫車の場合、色やグレード、装備などがなかなかお客様の希望と合わずに、売れ残ってしまうことがあります。

長期在庫になってしまって、製造から6か月以上が過ぎてしまうと「完成検査」の期限が切れてしまいます。

その場合には、中古車のように陸運事務局まで出向いての持ち込み検査が必要となります。

つまり、6か月を超える長期在庫となってしまうと、普通の新車としては売れなくなってしまうので、少しでも安い値段で売ってしまおうと考えることもあるわけです。

展示車が安く売られるとしたら、このようなパターンのときだけです。

普通に新車を買ったのにそれが展示車であることも

車の隣で話をする人たち不特定多数の人が触れたであろう展示車が、普通の在庫車と同じ扱いで特別な値引きもなしで売られるのであれば、出来れば展示車を購入するのは避けたいと考える人もいるでしょう。

しかし、ディーラーの営業マンは、あなたが購入しようとしているクルマが展示車であることを正直に言うことはまずないと思います。

もしうっかりと口を滑らせてしまったら「値引きしろ」「サービスでパーツをつけろ」「ボディコートとルームクリーニングをサービスでやれ」などといった、無理難題をふっかけてくるお客様もいるかも知れませんし、「展示車だけは絶対に嫌だ」とキャンセルなどされたらいろいろと面倒なことになります。

ですから、普通に新車としてディーラーで契約をして納車されたクルマが、実は展示車であったなどということも十分にあり得るわけです。

あなたが「絶対に展示車だけはやめてください」と営業マンにお願いをしても、その約束が守られる保証はありません。

なぜなら、普通に納車された車を見ただけでは展示車であるかどうかを判断するのは難しいからです。

展示車であるにもかかわらず「オーダー車です」といって、何食わぬ顔で納車してしまうことも実際にあるようです。

あなたが契約したクルマが、グレードや色だけではなく、オプションなども含めてたまたま展示車と一致してしまった場合には、ディーラーにしてみれば展示車をさばく絶好のチャンスですから普通に納車してしまうに違いありません。

展示車かどうかを見抜く方法はあるのか?

それでは、これから新車を購入しようとしているあなたが、どうしても展示車だけは購入したくないと思っている場合、どのような防衛手段をとればいいのでしょうか?

納車された車が展示車であることを完全に見抜くことは出来ませんが、いくつかの点を確認することで可能性の高いクルマを識別することは出来ます。

・車体番号で工場出荷年月日を確認する

窓口へ相談に来た女性のイラスト実際に、あなたが発注したあとに工場で生産されたクルマかどうかは、車体番号を調べることで分かります。

あなたのクルマが、本当にオーダー車として発注後に工場の生産ラインに乗せられたかどうかは、メーカーのお客様相談室に車体番号を伝えて調べてもらうことで、その車の工場出荷年月日が分かります。

たとえば、あなたが車の発注をしたのが2月10日だったとした場合、工場の出荷年月日が1月になっていたりすれば、少なくとも発注後に作られたオーダー車ではないことが分かります。

しかし、工場出荷年月日が発注日より前であったとしても、在庫車であった可能性も高く、そのことをもってして必ずしも展示車であると決めつけることは出来ません。

・納車までの期間が異常に早い場合

完全なオーダー車の場合、あなたが契約をしてから工場の生産ラインに乗って、その後に納車されるまでに1ヵ月程度はかかるというのが一般的です。

もちろん、車種やその人気度などによっても大きく変わりますが、数週間で納車になるということはほとんどないはずです。

ところが、契約から10日から14日程度で新車が納車されることがあります。

オーダー車として考えた場合にはあり得ない早さなので、在庫車であるか展示車であるかのどちらかであることは間違いないと思います。

ただし、この場合も先ほどの車体番号と同様に、納期が早いというだけでは、在庫車と展示車のどちらであるかの判断は出来ません。

・室内のシミやダッシュボートの手あかなど

展示車の場合、不特定多数の人が触れることになりますから、天井やダッシュボード、窓の内側などに手あかなどがついている場合があります。

通常は、納車する前にきれいにクリーニングしてしまうために気がつかないことが多いのですが、ルーズなディーラーだとそのまま納車してしまうことがあります。

また、最近の新車は経費削減や環境問題などの観点から、車種によっては運転席以外のシートにビニールカバーがされていないものもあります。

そういった車の場合、展示中に子供が後部座席にのってシミをつけてしまったりということもあるようです。

こちらも、通常はきれいにクリーニングされて納車されますが、ルーズなディーラーだとそのまま納車されることがあるため、そこで展示車であった可能性に気がつくことになります。

また、窓ガラスにセロテープの跡が残っていたりする場合がありますが、これは展示車として使っているときの値札のはがしあとの可能性があります。

・一般的ではないオプションをつけてみる

どうしても展示車を納品されるのが嫌だということであれば、あまり一般的ではないメーカーオプションをつけるという方法があります。

ディーラーオプションのように後付けできるものでは意味がありませんが、工場の生産ラインでしか取り付けできないオプションで、なおかつ通常は展示車などには取り付けされていない特殊なものであれば、生産ラインに乗せて一からクルマを作る必要性が高くなるわけです。

ただ、確かにそうすることで防衛手段にはなりますが、展示車を納車されたくないという理由だけで、ほとんど利用しないであろうと思われる高価なメーカーオプションを取り付けるというのもどうかとは思います。

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