タクシーの9割がプロパンガスで走っているのはなぜ?

黒色のタクシー世の中にはこれほどたくさんのタクシーが走っているのに、ガソリンスタンドでタクシーを見かけることがほとんどないことを不思議に思ったことはありませんか?

実は、タクシーの9割はガソリンではなく、プロパンガスを使って走っているのです。

そうです、あのガスコンロに使うプロパンガスです。

いったいなぜタクシーは、プロパンガスで走っているのでしょうか?

また、プロパンガスを積んだまま走っていて、事故を起こしたときに爆発などの危険性はないのでしょうか?

タクシーがプロパンガスを使う理由

個人タクシーなどはガソリン車を使っていることも多いようですが、一般のタクシーの場合は一部のハイブリッド車を省いてほとんどがプロパンガスを利用しています。

実はタクシーがプロパンガスを利用して走っているのには、明確な理由があるのです。

・ガソリンとくらべて燃料費が圧倒的に安い

タクシーがプロパンガスを使っている一番の理由は、燃料費が安いということです。

2016年11月現在、東京のレギュラーガソリンの平均価格は1リットルあたり120円弱になっています。

それに対して、プロパンガスであれば、1リットルあたりの価格は70円~80円です。

タクシーは1年で10万kmも走るといわれていますので、プロパンガスを使った方が圧倒的にコストの面で有利なわけです。

かつては、燃費そのものもガソリン車にくらべてプロパンガスの車の方がよかったようですが、最近ではガソリン車の燃費が向上していることもあって、その点に関してはあまり差がないようです。

・プロパンガスの車であれば盗難防止になる?

プロパンガスを燃料として使うことのメリットに、車が盗まれにくいという点があげられます。

クルマ泥棒にしてみれば、一般のガソリンスタンドで給油することのできない車を盗んでも仕方がないということになります。

もっともタクシーの場合、ドアミラーではなく今では貴重なフェンダーミラーが取り付けられており、しかもハンドルの脇にシフトレバーがついているコラムシフトのマニュアル車となりますので、特殊な車両ゆえにもともと盗まれにくい車であることは間違いないようです。

・二酸化炭素の排出量が少なく環境にやさしい

黄緑色の地球と車型にくり抜いた葉
プロパンガスを使って走る車の特徴として、排気ガスがクリーンで環境にやさしいという点があげられます。

もっともこれは、タクシー会社が地球環境を意識してプロパンガスを使っているというよりも、結果としてそういうことになってしまっているといった方が正しいかも知れません。

なぜなら、地球の環境問題がクローズアップされるずっと以前から、タクシーはずっとプロパンガスで走っていたわけですから。

ちなみに、ガソリンの二酸化炭素の排出量を100とした場合、プロパンガスの場合は85ほどにおさまるようです。

なぜタクシー以外のクルマはLPガスを使わないのか?

燃料代が安くて、しかも環境にやさしいということになれば、なぜタクシー以外のクルマはプロパンガスを燃料として使わないのでしょうか?

まず、一番の理由としてはプロパンガスを充填できるガソリンスタンドが、非常に少ないという点があげられます。

実際にタクシーがプロパンガスで走っているわけですから、対応しているガソリンスタンドは探せばあるはずなのですが、ガソリン車にくらべると不便を感じることは間違いありません。

また、ガスボンベなどの定期的なメンテナンス代が発生するというのも、プロパンガスで走る車のデメリットといえます。

タクシーのように年間に10万kmも走るのであれば、燃料費の節約分でタンクのメンテナンス費用などは十分にペイできますが、年間にせいぜい1万km程度しか走らない一般的なマイカーの場合には、割に合わなくなる可能性があります。

もう1点、プロパンガスの車がガソリン車に劣る点として、パワー不足があげられます。

タクシーには2000ccのエンジンが搭載されていることが多いですが、最高出力は80馬力程度です。

最新の2000ccセダンの最高出力が160馬力程度であるのにくらべると、だいぶ見劣りはしてしまいます。

パワー不足とはいっても、80馬力もあれば日常的に車を走らせる分には不便を感じることはないはずですが、やはり車の動力性能というのはメーカーにとっては重要なアピールポイントになるわけで、そこを犠牲にするのは販売戦略的にも厳しいのでしょう。

プロパンガスが爆発する危険はないのでしょうか?

公道を走る黄色のタクシーこれまでの説明で、タクシーがプロパンガスを燃料として使うのにはさまざまなメリットがあることがお分かりになったかと思いますが、そもそもプロパンガスを積んだ車を走らせて危険はないのだろうか、という疑問を持つ方も少なくないと思います。

一般の人は、タクシーにプロパンガスのボンベが積まれているということを知りません。

しかも、お客さんが座る後部座席のすぐ後ろに問題のガスボンベはあるわけです。

もしそのことを知っていたら、タクシーに乗ることを躊躇してしまう人もいるかも知れません。

一般的にはどうしても「プロパンガス=爆発しやすい」というイメージがありますので、もし後ろから追突でもされたらと思うと、ゾッとするに違いありません。

しかし、車に取り付けられているガスボンベは衝撃に耐えるように強化されたものが取り付けられていますし、そもそもプロパンガスはそう簡単に爆発するものではありません。

ガスというのは、空気とある一定の割合に混ざり合ったときに爆発をするわけです。

ガス爆発というのは、なんらかの理由で漏れたガスが空気と混ざり合って、ある一定の濃度になっている状態のときに着火をすることで起こるわけです。

ですから、空気と混ざり合うことのないボンベの中のプロパンガスが、衝撃などを受けることによって突然爆発をするということは基本的にありえません。

ガスボンベは爆弾ではないので、当然のことです。

また、何らかの理由で車が燃えるようなことがあったとしても、爆発の可能性は非常に低いといえます。

実際に住宅火災などでも、家が全焼するような大火災であっても外に設置してあるガスボンベが爆発するということはまず起こりません。

爆発の危険性があるという点で考えるならば、それはガソリンであっても同じで、爆発力という点だけで考えれば、むしろガソリンの方が危険だといえます。

LPG車よりもガソリン車の方がハイパワーなのは、ガソリンの方がプロパンガスにくらべて爆発力が高いからです。

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